ご挨拶
日本人の平均寿命は2015年、男性80.5年、女性86.8年で女性は3年連続世界一、男性は6位であり、男女併せての平均寿命83.7年は世界一でした。戦後間もない1950年の日本人の平均寿命は男性59.6年、女性63年ですから過去65年で約20年延びた勘定です。しかし3大死亡原因であるガン、循環器疾患、脳卒中が克服されたとしても今後50年で日本人の平均寿命は5-6年間しか延びないと予想されております。すなわち医学の進歩で延びた日本人の平均寿命は生物学的限界に近づいております。平均寿命延伸の代償として認知症、寝たきり患者さん等の要介護者が増加、家族の介護負担、国民医療費の増大等、社会的問題が起きています。その為、今後は平均寿命の延伸ではなく予防を含めた寿命の質の改善が重視されています。
2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した「健康寿命」とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。国民健康づくりの指針である「健康日本21」では「健康寿命」の延伸が目標となっています。「健康寿命」の延伸には老化の進行を遅らせることが重要です。老化とは加齢に伴い生体機能が低下すること、すなわち体のサビ、炎症と考えられています。老化の進行には個人差、部位差、更には生理的老化と病的老化がありますが個人差、病的老化を抑えることが健康増進には重要です。老化は仕事、家庭、趣味等で常に前向きに暮らすことで進行を遅らせることが出来ますが、その為には運動、喫煙、栄養、睡眠などの基本的生活習慣の改善、更には高血圧症、糖尿病、脂質異常症等の疾患管理がなされていることが前提です。
21世紀の医学の目標は平均寿命の延伸ではなく「健康寿命」の延伸であり、その観点から日頃の生活習慣、各種疾患の管理で注意すべき点、更には最近の医学上の話題等について順次アップロードして行きます。皆様方のご参考になれば幸いです。 平成28年5月 大江 正敏
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