糖化

 

 最近、糖質を制限する方が増え、外食でご飯を残す人が多いことが問題になっております。糖分は生活習慣病、老化を進行させるとの考えが浸透してきたからと思います。これを糖化、もしくは糖化ストレスと呼びます。

 では糖化とは何でしょうか?糖化とは糖が蛋白質、脂質と結合することにより変性、その機能をなくすことです。糖化により終末糖化産物(AGEs)が産生され、血管に蓄積すると動脈硬化、脳は認知症、眼は白内障、骨は骨粗鬆症、皮膚はシワ、内臓はガンになりやすいと言われています。また糖化は活性酸素産生を増大、酸化ストレスも亢進させます。糖尿病は糖化そのものです。

 糖化を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?それには食後の高血糖、血糖の変動幅を抑えることが重要です。食後の高血糖を防ぐには糖分制限、食後の運動が重要です。糖分制限ではGI値(ブドウ糖100g摂取時を100とする指数)が低い食事が重要で、主食で高いのは食パン90、白米84、うどん80、低いのはそうめん68、スパゲッティ65、ソバ59、玄米58等であり、GI値70以下の食材が推奨されています。また糖化予防には食べる順序が重要です。野菜、海藻に含まれる食物繊維は腸からの糖分の吸収を緩やかにするので野菜、蛋白質、糖分(炭水化物)の順に、よく噛んで食べるのが良いとされています。果物には注意が必要です。果物にはブドウ糖以外、果糖、ショ糖が含まれています。果糖は血糖をあまり上げないのですが、AGEs産生がブドウ糖の10倍、さらにはAGEsの中でも悪玉AGEsを産生するので食べ方に注意しないと糖化が進行します。果物は適量を食事の最後に取ること、ヨーグルトと一諸に摂取するのが良いとされます。なお糖尿病の人は治療が重要ですが、朝食を抜くと昼食後の血糖が高くなるので注意が必要です。

 最後に糖化は糖尿病でない成長期の子供には当てはまりません。子供では糖分を利用する嫌気性解糖系も重要であり、活発に動き、糖分を含む栄養を十分取った方が良いとされています。